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東京大学の教育改革および学事暦改革について考えている東大有志の会のブログです。

考える会への要望と考える会としての考え

 今回は、学生用アンケートの回答(104件、3/3現在)から得た、私たち「考える会」への要望についてみていきます。「私たち教育改革・学事暦について考える東大有志の会(考える会)に、なにか要望がありましたらお書きください。 (ex.研究科ごとに説明会を開いてほしい、など)」という記述式の質問項目にて、16の回答が寄せられました。

  意見・要望は、以下のように大きく三つにわかれます。

(1)     「考える」()の趣旨について

Q.「標榜されている「考える」というものがどういったニュアンスなのか図りかねます」や「これらの意見の使い方(意見を集約して大学当局に提出する、など)が気になりました」など、団体としての方向性について意見がありました。

 A.まず、私たちの活動目的については、ブログのこのページにまとめてあります。ぜひご覧ください。

 上記ブログでも言及していますが、私たちの目的は、新学事暦や教育改革について、賛成や反対といった明示的な立場を示してその実現を目指すものではなく、2015年度から(移行期間を含む形で)開始される学事暦についての、決定のプロセスや周知の状況を問題にしています。「考える」というのは、立場や所属の違いを超えて、東大に関わるみんなで学事暦や教育改革について議論しよう、という意味があります。

 このことにもかかわりますが、みなさんにご回答いただいているアンケートについては、回答者のみなさんよりいただいた意見・周知状況といった実態を共有するために用います。この実態報告を中心としたイベントを学内にて企画中です。

 

(2)     団体および教育改革・学事暦の広報活動について

Q.「団体の存在が十分に周知されていない」「もっとSNSを活用し、キャンパスでも大々的に宣伝して欲しい」などの意見がみられました。

 

A. 現在、各キャンパスにおいて、「考える会」のビラを配布・掲示しています。ビラは、以下の2種類があります。


  
  

私たちは、準備期間を含めて昨年の秋から会議・活動を行っています。アンケートを開始したのが冬休み期間でしたので、団体の存在が十分に周知されていないというのは、その通りかと思います。今後は、学内での掲示板やSNSをより積極的に活用して行きたいと思います。もし「○○にもビラを貼ってほしい」「◆◆であればビラを貼っても大丈夫」というご意見いただけましたら、こちらで掲載させていただきます!

 

(3)     具体的な成果や今後の見通しについて

①大学側へのご意見

Q.「研究科ごとの説明会があるのか(あったのか)/ターム制採用の際の非常勤講師の処遇はどうなるのか」などの具体的な情報の提示がありました。

 

A.これについては、現在これまでなされた説明会について、私たちが一覧を作成する予定です。これからの説明がなされるものについても、補足ができましたら、Twitterなどで適宜宣伝をしていきたいと思っています。

また、研究条件や(一部教職員の)労働条件については、私たちでは回答ができませんので、今後、当局への質問・要請なども含め、対応を考えていきたいと思います。

 

②私たちの活動へのご意見

Q.「大学側に意見を伝えるとともになんらかの成果を出していただけることを期待」するという意見や、「調査結果によっては、署名運動などの行動をしてもよいと思う」、さらには学内の問題にとどまらず、「……「東大改革」の些末な問題追及に留まらず、高等教育政策全体の動向を睨んで色々提言して頂けると嬉しいです」という東大を含む高等教育政策全体への提言などを求める意見もありました。

他方、「制度が実際に動き出したあとで、予想されたデメリットが顕在化した時に、制度を調整していく(または撤回させていく)手立てや見通しがあるのか」、また「結論だしたとして変える力があるかが疑問」「学事暦について提言するのには、遅すぎると思う。確かにこの無防備な計画はこのままでは許されないが、今から動いても正直無駄では」と、成果については疑問視する意見がみられます。

 

A.現時点では、100人ほどの意見をみなさんよりいただいていますが、とりあえず企画を行ってその実態報告を行うつもりでおります。大学への交渉は、①や②で見たように、将来的には実現/実行の課題となると思います。

 また、制度を調整/撤回をさせていく手だてや見通しは、私たちは学生・院生の有志ですので、(狭い意味で)学内行政についての決定権限を有していません。学内においては、実効的な影響力をもっていない人が大半ですので、その意味では考える会の活動や成果については疑問視する意見が出てくるのも、しごくもっともなことだと思います。もちろん、私たちが活動を始めるのが遅かったこともあれば、活動を素早く展開できなかったこともありますので、私たちの責任もあると思います。

 しかし問題は、だからといって何もしないというのが最善か、ということだと思います。第一に、今回の新学事暦導入については、そのプロセスの不透明性があり、そうであるがゆえに、学内の関係者・大学の構成員の意見がきちんと反映されたのか、という点に関して、実態をきちんと知ることがまず大事になると思います。また第二に、結果として出されたものが、それがいいか悪いかは一般論では決められないにしても、「実害」が生じてきた段階で、何かしらのその不満や要求が伝えられる回路がなければ、改善も困難だと思います。その意味で、遅きに失するとしても、やらないよりはやったほうがいいのではないか、という最も基本的な点を、重視して活動していきたいと思います。

 

改めてになりますが、教育改革・新学事暦についてのシンポジウムを近日中に開催予定です。詳細が決まり次第ブログにて公開しますので、奮ってご参加ください。

アンケート結果は、今後も随時公開していきます!

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