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東京大学の教育改革および学事暦改革について考えている東大有志の会のブログです。

【イベント終了】東大は、どこへ行くのか?――新・学事暦を考える――

去る4月23日(木)、東京大学本郷キャンパス赤門総合研究棟A200番教室にて、
「考える会」主催のトークイベント、「東大は、どこへ行くのか?――新・学事暦を考える――」を開催致しました。

18:30からのイベント開始で、学事暦変更で授業が被ってしまった学生もいらっしゃったことと思いますが、途中からも断続的に来場者の方がいらっしゃいました。本当にどうも有り難うございます。

まず本会の発表・報告として、趣旨説明ののち、学生/教職員アンケートの集計中間報告をスライドにて発表させていただきました。アンケート調査からは、4月からの4ターム制や8:30授業開始といった「改革」に関して8~9割の学生が反対し、学業等に支障を来す懸念を感じていること、学生に留学を立ち止まらせる要因は学期制よりも経済的要因の方を重視するべきであることなどが指摘されました。

次に、「新学事暦に反対する会」(本会とは別団体です)から、これまでの活動の経緯とその結果を報告・発表していただきました(会の活動の経緯は「反対する会」のブログ http://utfourterms.blogspot.jp/をご覧ください)。報告からは、学生の声を無視する大学当局の態度に加えて、ネット上で愚痴をいうだけで具体的な行動を起こさない学生の態度の側にも問題があるのでは、そのような空気を変えようとの思いでやってこられた、との強いメッセージを頂きました。

また、東大職員のDさんからも、長年事務職員として勤務してきた経験をもとに、8:30からの事務開室は学生のみならず職員にとっても大変である点、大きな大学が全学一斉に時間的な制度を変更するのがいかに困難かという点、非常勤講師職の働き方・収入への影響が大きい点などが指摘されました。また、教職に比してこのような事務職員や非常勤職員の声はなかなか省みられず、当局の意識から捨象されているのではないかとのお話もありました。

そして、小森陽一教授からの基調講演では、教授職として実際に改革の内情を御存知の方として、総合的な視点に立った興味深いお話を聴かせていただきました。とりわけ、頓挫した秋入学の時点から、構成員への周知ではなくマスメディアへのリークが初発であり、報道された後になって職員・教員がその対応に追われている内情や、学生/院生の声を省みずに制度変更を決定したことは、大学における自治を踏みにじるものである点、そして、このような風潮の背後に、軍事研究解禁、国立大学での国旗国歌強制の動きのような重大な歴史的事項が控えていると考えられる点など、今回の「学事暦」の混乱を、今後も歴史的視点に立って総合的に検討していく必要性を訴えられました。

当日のメモ代代わりの実況は、以下からご覧になれます。→(http://togetter.com/li/816990

最後になりますが、会場に足を運んで下さった皆様方、ビラを手にとってくださった方々、そしてイベントにご協力頂いた全ての皆様方に、心より御礼申し上げます。お陰さまで、少人数の拙い運営ながらも、目立ったトラブルもなくイベントを終えることができたかと思います。

当日配布したレジメ・資料等は順に追って公開させていただいたいと思います。

開会前の様子。学生ばかりと思いきや、スーツを着用された教職員と思われる方々も多くいらしています。


小森陽一・総合文化研究科教授による基調講演

 

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